1986年9月22日にファミコン専用ソフトとして徳間書店から発売されたアクションゲーム。
1984年に公開された大ヒット映画「ゴーストバスターズ」のゲーム化作品。
元々はPC用ゲームとして製作された海外作品で、本作はそちらの移植版である。
原作を顧みない、シナリオが無い、ゲーム性も最悪、謎のエンディングの存在。
数多く存在するファミコンのクソゲーの中でも高い知名度を誇る。
ゴーストバスターズとは
原作は超常現象の専門家である研究者たち4人がオバケ退治を行うビジネスを始めるという昭和59年に大ヒットしたハリウッド映画。
筆者はまだ幼かったのですが父に連れられて劇場で鑑賞した。
とても面白くめちゃくちゃ楽しかった。
今でも大好きな思い出の映画だ。
劇場から帰宅する道中で父におねだりしてこの映画の主題歌のカセットテープを買って貰ったのも良い思い出。
アップテンポなサウンドで「ゴーストバスターズ♪」と繰り返す歌をテープが擦り切れるまで聴き続けるほどハマった映画であった。
大人気映画のゲーム化
当時FCカセットは出せば必ず元が取れると言われていた為、クソゲーが乱立していた。
中でも映画やアニメのゲーム化はそれだけで話題となり、面白くなくとも原作ファンが購入するため、内容が適当なものが多くクソゲーである確率が特に高かった。
このタイトルはそんなクソゲーだらけの映画原作ゲームの中でも1、2を争う程のクソゲーとされ、当時のファミコン通信に「もはやゲームになっていない」と言わしめた一品なのだ。
ゲームシステム
プレイヤーがマップ画面で操作するバスターズは何故か映画のロゴ。
そこら中に幽霊が徘徊する町を映画のロゴがうろつくカオスな光景。
最終ステージのビルの名前がなぜか「ズール」。
映画本編ではズールはラスボスではなく、ラスボスが連れているつがいの番犬の片割れの名前である。
製作スタッフは本当にこの映画を観た事があるのか甚だ疑問である。
BGMは映画のテーマ曲が使われているのだが最初からエンディングまで全く同じ曲である。
ほとんどのオバケ(実際は4種類しかいないが)がゲーム完全オリジナルで有害さをまったく感じさせない愛嬌のある姿形。
ドライブ中、蛇行している飲酒運転の車に当たってしまうと数百ドル没収。
とてもかわせるスピードでは無く確実に事故り、ビルに着いた頃には確実に金欠になるバスターズ。
ガス欠になるとどうみても人間には見えないバスターズが車を押す。
難易度だけは非常にシビアでありクリアするのはかなり骨が折れる。
まさかのエンディングバグ
エンディングメッセージではりりという二文字が表示されるのみで、ある意味、下手なバッドエンドよりも遥かに絶望的である。
スタッフロールなどといったものは無い。
いったいりりとは何なのか?どういう意味があるのか?長年にわたり多くのプレイヤーに疑問を抱かせることになった。
後の解析により上記の「りり」はただの文字化けだったと判明。
これぞまさにクソゲー。
現代ならあらゆる意味で訴訟ものであるが逆にここまで徹底されているともはや清々しい。
同級生の悲劇
幸いな事に筆者はこのソフトを親にねだったけど誕生日でも無かったので却下されて購入には至りませんでした。
しかし友達の中にちょうど9月の誕生日の子がいて、プレゼントにこのソフトを買ってもらってました。
筆者も欲しかったので、自慢されてとても羨ましかったです。
「お前にも見せてやるから家にこいよ」と誘われました。
(どうせ、見せてもコントローラーは握らせてくれないんだろ)と思ったのですが、このゲームが見たくて堪らなかったので友達の家に行くことにしました。
カセットの箱の封を切り、満面の笑顔でファミコンにカセットを差し込む友達。
それを羨ましそうに眺める子供時代の筆者。
ゲームをプレイ開始するとみるみる友達の顔が曇ってゆきました。
30分ほどプレイしたのですが、このクソゲーのあまりの意味の分からなさに癇癪を起こし半狂乱で「お母さーん!これおもちゃ屋さんに返して他のゲームに変えてきて!意味がわからないよ!うわーっ!!」と泣き喚んでいました。
ブラウン管のTVからは8bit音であの「ゴーストバスターズ♪」というアップテンポなBGMが垂れ流され続けてました。
今回は『ゴーストバスターズ』の紹介でした。
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