『英雄伝説VI 空の軌跡』は2004年6月24日にWindows用ゲームとして日本ファルコムより発売され、後にPSPに移植された正統派JRPG。
PC版の発売当初はタイトルに『FC』の文字は無く、『英雄伝説VI 空の軌跡』として発売され、複数部に渡ることは伏せられていたため、エンディングでプレーヤーの度胆を抜いた。
ストーリーと音楽に定評のある英雄伝説らしく、王道まっしぐらのシナリオと質の高いBGMでSC共々高い評価を受けている。
特に切ないエンディングとEDテーマ『星の在り処』の破壊力は異常。
あらすじ
導力革命により、人々の暮らしが飛躍的に豊かになった時代。
導力器(オーブメント)と呼ばれる機械仕掛けのユニットから生み出される神秘のエネルギーは、飛行船をはじめとするさまざまな技術に用いられ、日常生活に欠かせない存在となっていた。
同時に、多くの強国は導力器を用いた兵器の開発にしのぎを削り大陸は覇権を狙う国々の思惑で混迷の様相を見せていた。
そんな時代、列強のはざまで誇りある独立を保つ小国リベールを舞台に、明るく前向きな主人公エステルは兄弟同然に育ったヨシュアとともに「遊撃士(ブレイサー)」を目指す。
そして、正遊撃士となるため、生まれ存った故郷の街ロレントを旅立った。
空の軌跡とは
日本ファルコムが送る「イース シリーズ」と並ぶJRPGの金字塔。
イースがARPGの代表格ならば空の軌跡は正統派RPGの代表格である。
戦闘システムやステータス強化システムも斬新であり、自分好みに育てたキャラクターを自分なりの戦略で戦わせられる戦闘はかなり面白い。
導力器の発展により機械文明が進んだとはいえまだまだ謎に満ちた世界を探求の旅に出る少女を待ち受ける運命とは…?
かなりボリュームのあるゲームだが、物語に引き込まれればあっという間にエンディングまで辿り着くと思われる。
壮大で過酷な運命の歯車に導かれ、若き英雄たちは何をその瞳に刻むのだろう。
その緻密に練られたストーリーはさながら大作アニメ映画を観ている様な展開を見せ、時にハラハラドキドキする演出で盛り上げ、時に涙を流すことを禁じ得ないような感動をプレイヤーに与えてくれる。
魅力溢れる登場人物たち
エステル・ブライト
ロレント地方出身の遊撃士。救国の英雄カシウス・ブライト唯一の実子。
資格年齢である16歳でヨシュアと共に試験を受け、「FC」冒頭で準遊撃士となったばかりの新米遊撃士。
どんな時も希望を捨てない、元気一杯のおてんば棒術士。
ツインテールで人一倍前向き。
しかし実は繊細でどんな女の子より弱く儚い…
父カシウスが行方不明となったことをきっかけに、正遊撃士となるためにヨシュアと共にリベール国内を旅する。
ヨシュア・ブライト
エステルの義弟にあたる遊撃士。
エステルには一切の素性を隠したまま、5年前にブライト家の養子となった。
リベールでは珍しい漆黒の黒髪と琥珀色の瞳をもった美少年。
エステルと共に準遊撃士となりリベール国内を回り、その後に正遊撃士となる。
身寄りのない自分を本当の子供のように愛情を持って育ててくれたカシウスに心の底より恩義を感じており、その荒んだ心を太陽の様な暖かさで包み込んでくれたエステルを愛している。
カシウス・ブライト
エステルの実父で、大陸全土に4人しかいないS級遊撃士の1人。
また元は王国軍大佐であり、百日戦役の反攻作戦を立案・指揮して王国の危機を救った救国の英雄。
《剣聖》と呼ばれる剣の達人であったが、遊撃士になった折に剣を捨てて棒術を扱うようになる。
普段はとぼけたおっさんだが、その洞察力と武術の実力は本物。
かっこいいパパとはまさにこの男のことを言うのだろう。
シェラザード・ハーヴェイ
「《銀閃(ぎんせん)》のシェラザード」の異名を持つ正遊撃士。
エステルからはシェラ姉と呼ばれ、頼れる姉貴分として慕われている。
かつては旅芸人集団「ハーヴェイ一座」の芸人でブライト家との付き合いはこのときより続いている。
このためエステルとの付き合いはヨシュアよりも長い。
一座解散後にカシウスを頼り遊撃士となったため、カシウスを「先生」と呼び慕っている。
ティータ・ラッセル
世界的に有名な導力学者A・ラッセル博士の孫娘であり、12歳という幼さでツァイス中央工房の見習い技師を務めている。
親交を深めてからは、エステルとヨシュアを姉・兄のように慕っている。
思わず抱きしめたくなる可愛さ。
クローゼ・リンツ
ルーアン地方にあるエリート校・ジェニス王立学園に通う16歳の女学生。
王国の国鳥であるシロハヤブサのジークがいつも近くにいる。
同地方を訪れたエステル達と知り合い、遊撃士教会へと要請した文化祭への協力を通じ、交流を深める。
普段は偽名を使い身分を隠して学園生活を送っているが、現在の女王アリシアII世唯一の孫であり、王位継承順第1位の姫殿下。
本名はクローディア・フォン・アウスレーゼ。
アガット・クロスナー
「《重剣(じゅうけん)》のアガット」の異名を持つ正遊撃士。
帝国に最も近いラヴェンヌ村の出身。
百日戦役で妹を失って自暴自棄となり、ルーアン市へと流れて不良集団「レイヴン」のリーダーとなるが、カシウスに出会い遊撃士となる。
オリビエ・レンハイム
エレボニア帝国からやってきた自称詩人かつ演奏家。
一般的な帝国人のイメージとはかけ離れた軽い言動で場を取り込み、いつの間にかエステル達に同行する。
正体はエレボニア帝国の皇子で、本名はオリヴァルト・ライゼ・アルノール。
庶子であり皇位継承権からは離れている。
自国の宰相オズボーンに不穏なものを感じ、カシウスと接触するためにリベールを訪れていた。
ジン・ヴァセック
「《不動》のジン」の異名を持ち、大陸全土で20数名しかおらず公式には最上級とされるA級の正遊撃士。
リベールの東にあるカルバード共和国出身。
「泰斗流」の武術家で、ツァイス支部の受付のキリカと《身喰らう蛇》のヴァルターは同門。
エステルの父カシウスとは旧知の仲で、カシウスの依頼により武術大会への参加を表向きの理由としながらカシウス不在に備えてリベールを訪れる。
ジョゼット・カプア
「FC」ではエステル達の敵として登場し、「SC」終盤より仲間となる。
一人称が「ボク」のボクっ娘。
めちゃくちゃ可愛い筆者のお気に入り。
元々は帝国の貴族だったが破産し、飛空挺「山猫号」を乗り回す空賊団となった「カプア一家」の末妹。
英雄伝説 空の軌跡 FC Evolution
Evolutionとは2015年6月にフルリメイクされ発売となったPS vita版である。
キャラクターの会話をフルボイス化するほか、楽曲のフルアレンジ、キャラクターの立ち絵などのビジュアルを描き直してHD画質に対応、「Evolution」を基準にした新しいユーザーインターフェースを採用するなど、全面的なリニューアルが施される。
英雄伝説 空の軌跡 FC Evolution 第二弾PV発売前 ロングver
完璧なリメイクを成し遂げた傑作です。
さすがリメイクには定評のあるファルコム。
未プレイの方で「これからやってみようかな」という方は是非こちらのEvolutionをお薦めします。
筆者のお薦めとしてはPS vita TVでテレビの大画面でのプレイを推奨しますが、携帯機のPS vitaでも十分楽しめますよ。
壮大な物語と心に染みるBGM
正統派JRPGの金字塔。
壮大な世界観と心揺さぶるストーリー。
そしてその物語を彩るBGMも特筆すべき素晴らしさです。
サウンドトラックもお勧めなので聴いてみてください。
ゲーム史上に刻まれる伝説の「切ない結末」を体感した時、プレイヤーは間違いなく泣いているであろう…
そしてエンディング後、エステルは再び旅立つ。
その表情はもう幼さの残る少女ではなく、愛を知った女であり、母の面影を宿す優しく悲しい瞳を持つ女性であった。
そして物語は第二章「英雄伝説 空の軌跡SC」へと続きます。
まさに英雄伝説の名に相応しく、魅力的なたくさんのキャラクターたちの想いが交錯し、歴史を紡いでいく。
のちに「軌跡シリーズ」として様々な物語に発展していく物語の原点がここにある。
現在プレイしても色褪せない面白さなので未プレイの方は是非遊んでみてください!
今回は「英雄伝説 空の軌跡FC Evolution」の紹介でした。
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