『究極ハリキリスタジアム』は1988年6月28日にタイトーよりファミコン用ソフトとして発売された野球ゲーム。
当時ファミコンの野球ゲームで不動の人気を誇っていた「ファミスタ」に挑んだタイトーの意欲作。
セ・パ両リーグ全12球団に“アイドルチーム”を加え満を持しての発売となった。
のちにシリーズ化されファミコンで4作品、スーパーファミコンで2作品が発売された。
究極ハリキリスタジアムとは
時代は昭和63年。
当時の野球ゲームといえば2年前の1986年に発売された『ファミリースタジアム』が大人気であった。
翌年の1987年には『燃えろ!!プロ野球』が発売されるもファミスタの人気が覆せなかった。
そのさらに翌年に期待の野球ゲーム新作として投入されたのが本作『究極ハリキリスタジアム(以後ハリスタ)』だ。
攻撃時はファミスタ風のバックネット裏からの視点であり、守備時は燃えプロのようなテレビ中継風(センターからの視点)というシステムを採用したため、パクリゲーと揶揄されたこともあった。
選手を育成できる
ゲーム画面も操作性もファミスタを踏襲しており確かに似てはいたが、システム面では斬新なアイディアを多々採用しておりファミスタとは一線を画していた。
まず第一に挙げるべきなのはペナントレースモードにおいて勝利すると選手の能力強化が行えるという点であろう。
これにより打者は成長の度合いにより体型ががっちり型に変化していき長打力が付く。
投手は成長するとなんと魔球が投げられるようになる。
魔球の種類は燃える魔球(剛速球)や分裂魔球(超変化球)などがあり、相手のバットをへし折るなどの威力を誇るが1試合に数球しか投げられないので使いどころが肝心だ。
ズームモード
守備の面では“ズームモード”が搭載されており取れそうにないボールでもファインプレーで取ることができる。
また、クロスプレイもズームされる。
これは盛り上がるのでプレイしてて楽しいシステムである。
選手の調子
選手の名前の横に顔型アイコンが表示されており、その表情によって好調・不調があった。
試合毎に好調・不調が変わるので、それにより戦略を立てたりすることができた。
今ではよくあるシステムであるが、当時としてはいち早く導入された斬新なシステムである。
乱闘を任意に起こせる
デッドボールを喰らった際にA・Bボタンを交互に20回連打すると乱闘を発生させる事ができる。
ピッチャーが殴り倒され、ピッチャー交代になることもあるが何故か殴ったバッターは退場にならないのでデッドボールには気を付けよう(笑)
もしも相手に乱闘を吹っ掛けられても十字ボタンを3回入れれば謝罪する事により回避する事も可能である。
演出が細かい
またハリスタは演出面に力を入れており、あちこちでその拘りが見て取れた。
その一部が下記の演出である。
同点のまま7回に突入するなど一定の条件下で酔っ払いがグラウンドに乱入する。
パ・リーグの試合だと観客席がガラガラだったり、試合開始直後はお客さんが入ってなく同じようにガラガラである。(昭和の頃はパ・リーグの人気が低かった)
実況アナウンサーと解説者の絵が合間に挿入される。この2人はどうみても徳光和夫と長嶋茂雄であり微笑ましい。ヤクルトの長嶋一茂を代々で起用すると解説者が特別なコメントをする(笑)。
試合が終わるとその試合のハイライトシーンをスローVTRで流しながら、2人が実況開設してくれます。これは当時は「すごい!」となった。
筆者と『ハリスタ』
筆者はハリスタを持っていました。
ファミスタがとても楽しかったので、本作にもとても期待していました。
一部ではパクリゲーだとか残念な評価もあった本作でしたが、まぁまぁ売れていた記憶があるし、個人的にもちゃんと楽しめた良作ゲームだったと思います。
僅かに操作性が少し悪かったので友達と2Playで対戦して遊ぶ場合はファミスタに一歩劣りましたが、1PlayでCPUを相手にペナントレースを楽しむ分にはファミスタ以上に楽しめるタイトルでした。
特に選手を育成して魔球を投げられるようにできたり、試合中乱闘や酔っ払い乱入など色んなイベントが起こるのは幼かった筆者にはとても面白かったです。
他にも特別チームとして用意されているアイドルチーム「アイドール」の選手名などが笑えました。
「こいすみ」「おきのめ」「なんの」「まとんな」「みほ」「きくち」「こくしよ」「ひばり」「やくしま」「ゆき」「ごくみ」「ゆい」「せいこ」
元ネタが誰だか解りますか?筆者は解ります。
全員解ってしまった貴方、同年代ですね(笑)
ちなみに続編である『究極ハリキリスタジアム平成元年度版』ではお笑い芸人たちで構成される「エンターズ」もリーグに加わっています。
売上でファミスタには遠く及ばなかった本作ですが、それでもその後続編が6本も発売された人気タイトルだったので、昭和のファミっ子たちの記憶にもかなり鮮明に残っているタイトルだったのではないでしょうか?
今回は『究極ハリキリスタジアム』の紹介でした。
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