『ファミリーボクシング』は1987年6月19日にナムコよりファミコン用ソフトとして発売されたボクシングゲーム。
ファミリースタジアム、ファミリージョッキーに続き「ナムコットファミリーシリーズ」の第三弾として登場。
アーケードゲームの『キングオブボクサー』の移植である。
ファミコン初のボクシングゲーム
ファミリーコンピュータでは初めての本格ボクシングゲームである。
オーソドックスなボクシングゲームだが、数種類のパンチ&ディフェンスや必殺パンチなどを駆使して試合を進める。
ユニークなシステムを多数採用しておりゲームとしての完成度は高い。
1987年11月に『マイクタイソン・パンチアウト!!』が発売されるまでは、ファミコンのボクシングゲームと言えば本作と言うくらいボクシングゲームとしてメジャーな作品であった。
ゲームシステム
プレイヤーはボクサーを操作し、新人戦から始め、最終的には世界チャンピオンを目指す。
ボクサーは与えられたパワーポイントを「パンチ」「スタミナ」「スピード」の3種類のステータスに配分して好みの選手に調整できる。
試合をこなすとパワーポイントを獲得でき、さらに能力を伸ばすことができる。試合内容が好成績であればたくさんのパワーポイントが与えられる。
カウンターパンチの存在や、パンチの空振りをすると体力の消耗が激しいことなど、なにげにしっかりとボクシング要素が取り入れられてる。
セーブ機能が無かった時代ではあるが、パスワードがあり、続きからゲームを始めることができる。
必殺パンチ
このゲームで一番のインパクトは、やはりコミカルかつダイナミックな必殺パンチであろう。
間合いを詰めながらタイミングよく攻撃ボタンを押すことで発動するこれらの技は、文字通り一撃必殺・一発逆転の威力を秘めている。
しかし必殺パンチを繰り出したときにカウンターを合わせられると大ダメージを受けるので注意だ。
きりもみフック
強烈なフック。相手はコマのように激しく回転する。
すっとびストレート
相手をロープまで飛ばしてしまう強力なストレート。
ふっとびアッパー
空中高く相手を飛ばすアッパーカット。さらに、絶好のタイミングで決まればリング外までふっとびTKOとなる。
インターバル
インターバルではA・Bボタンを連打する事によりわずかに体力を回復させることができる。
ボクサーにとっては休息をとる1分間だが、プレイヤーは必至でボタン連打しなければならないのでめちゃくちゃ疲れる(笑)。
『ジョイカード』や『早打名人 高橋くん』などの連射装置を使えば体力は一気に回復させることができるが、それをやるのは邪道というものだ(笑)
全国チャンピオン・トーナメント
本作の発売2週間後に、メーカーのナムコ主催で『全国チャンピオン・トーナメント』というイベントが行われた。
各地区で『ファミリーボクシング』の大会を開き、各地区大会のチャンピオンが東京に集まり決勝トーナメントを戦うものであった。
決勝トーナメント出場者は全員ディズニーランドのチケットと本作のゴールドカードリッジ版を贈呈された。
この非売品ゴールドカードリッジはマニアの間で〇十万円の価値が付くそうな…。
筆者と『ファミリーボクシング』
筆者はこのゲームを所有しておらず、友達に借りて遊びました。
幼かった筆者は空振りで体力消耗やカウンターを狙うテクニックを知らず、ひたすら必殺技を狙って、インターバルには死に物狂いで連打するだけの遊び方でした。
当然試合で勝ち進むことは難しく、新人戦で優勝するのがやっとで、日本シリーズは勝てなかったと記憶しています。
その数か月後、名前を「MAHHA●●2」(●●は空白マス)にして、パスワードを「9999999999」と入力するとPOWER99の選手でプレイできるというチート級の最強パスワードの存在を知りましたが、その時はすでにカセットを返した後であり試せませんでした。
本作を含む初期の「ナムコットファミリーシリーズ」はどれも今までになかった題材をゲーム化しており、工夫されたシステムと絶妙なバランスで非常におもしろいタイトルばかりでした。
第一弾の「ファミリースタジアム」はコンピューター野球ゲームの草分け的な作品であり、第二弾の「ファミリージョッキー」はコンピューターゲーム初の競馬ゲームでした。
この時代のナムコの発想力と開発力は本当に素晴らしかったと思います。
おまけに値段も3,900円からとリーズナブルで、本当に子供たちの味方のメーカーというイメージで大好きでした。
「クーソーしてから、寝てください」
「クーソーは、頭のコヤシです」
これらはナムコのCMで採用されていたコピーライターの糸井重里氏による名キャッチコピーです。
子供の頃、ナムコのCMが大好きで、テレビで流れるとウキウキワクワクしたものです。
今You TubeなどでナムコのCM見ると、目頭が熱くなるのは筆者だけでしょうか?
今回は『ファミリーボクシング』の紹介でした。
あわせて読みたい