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【独眼竜正宗】“独眼竜”と恐れられた伊達政宗となって奥羽統一を目指せ!コミカルな雰囲気とシンプルなシステムでファミっ子たちのSLG入門となったタイトル!【ファミコン・ナムコ・レビュー】

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『独眼竜政宗』は1988年4月5日にナムコからファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されたシミュレーションゲーム。

ナムコットファミリーコンピュータ用ゲームシリーズとしては第38弾である。

まだ歴史SLGというゲームジャンルの経験がほぼ無い当時のファミっ子たちの中では、初めての歴史SLGとなった人も多い。

 

 

独眼竜正宗とは

当時歴史SLGは「信長の野望」が1983年に発売されてはいたが、まだまだ基本的にはPC用のゲームジャンルでありマイナーな部類であった。

信長の野望シリーズ第二弾の「信長の野望 全国版」がFCに移植発売されて、その2週間後に本タイトルの発売となった。

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当時ファミコンソフトの値段は5,000円前後だった中「信長の野望」は9,800円と群を抜いて高額であったのと、本格SLGで複雑なゲームシステムだった為大人のユーザーが好んで購入した。

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それに対し「独眼竜正宗」は5,500円と「信長の野望」の約半額であった。

またゲームの雰囲気は、家臣の小十郎をはじめとする登場キャラクターの会話や、喜怒哀楽に変化するキャラクター、隠し要素としてナムコの社長やナムコット新聞が登場するなど全体的にユーモラスに表現されている。

直接的な合戦シーンなどシンプルなゲーム内容となっており、アミダクジで金山探しや流鏑馬などのアクションゲーム要素のミニゲームもある。

総合的に子供でも敷居がが低く感じられるようなシステムとグラフィックにより小学生にはこちらの方が人気であった。

 

ゲームの目的

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当時のナムコにはSLGのノウハウがほとんどなかったにもかかわらず、非常に丁寧に作られており完成度は高い。
プレイヤーは伊達政宗になり小十郎に命令を与えつつ、国を富ませ、兵を強化しながら並みいる強豪を倒しながら奥羽統一を目指す。

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81歳までに奥羽統一ができなければゲームオーバー。

または敵国に侵略されて負けた際、逃げる領地が無い場合もゲームオーバーになる。

 

ゲームシステム

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武将の概念はなく、1コマンドで一季節が流れる。

正宗が18歳の年からスタートし、81歳(史実では68歳で没している)で寿命で亡くなるまでに奥羽の全ての大名を倒して統一を成せばクリア。

春夏秋冬で一季節に1コマンド命令を出してゆく。

武将の概念はなく、小十郎にのみ指示を出す。

 

 

内政ターン

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基本的に8つのアイコンを選択して命令を与える事でゲームは進行する。

開墾、偵察、軍事、訓練、売買、忍者、祈祷師、記録と、行えるコマンドはシンプルに纏められており、SLG初心者にも解りやすくなっている。

 

開墾

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ゲーム序盤では開墾を繰り返し石高を高めるコマンド。

これをおろそかにすると、米の収穫が少ないままなのでゲーム中盤から苦しくなる。

 

訓練

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部隊の攻撃力を高めるコマンド。

4年に最低1回やらないと、訓練度が下がる。3回連続でやると流鏑馬ができる。

 

祈祷師

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運任せのコマンド。

金山探しや、意味不明なイベントで石高が上がったり、兵が集まり、兵が増えたりする。

 

忍者

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運任せのコマンド。

相手の石高や兵力を減らすことができる。何が減るかはランダムの上に失敗も多い。

 

視察

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敵の状況を見るコマンド。

1ターンを消費されない。小十郎が敵国の強弱を報告する。

 

商人

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商人を呼ぶコマンド

米の売買、騎馬や鉄砲など購入することができる。夏の台風や大雨、冬の大雪の時は呼ぶことができない。

 

軍事

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足軽を集める、輸送・本陣移動、出兵(敵国に戦を仕掛ける)などができるコマンド。

大雪の時は足軽集めしかできない。

 

記録

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毎年春のみセーブができる。

また、メッセージが省略されるクイックモードに変更ができる。

 

ミニイベント

ゲーム中、訓練や祈祷師などのコマンドを命令するとランダムでミニイベントが発生する事がある。

 

流鏑馬

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馬に乗った政宗を操作しつつ、的を射って高得点を狙う。

的やイノシシを射抜き加算された得点とゴールしたタイムで訓練度が通常より上昇する反面、成績が悪いとまったく上昇しない。

また訓練度が高くなればなるほど難易度が上がる。

 

金山探し

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あみだクジの要領で金山を探し当て、軍資金を得る。途中の落とし穴にはまる、あるいは金脈のない山の到達した場合収入はない。
これらのミニゲームを成功させる事でコマンドの効果を底上げ出来る。

 

合戦ターン

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敵国に攻め入る、または侵攻を受けると合戦モードとなる。

勝てば敵領土を奪う事ができ、負ければ領土を奪われ別領土へ逃げる事となる(逃げる領土が無ければゲームオーバー)

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合戦は向かい合った部隊を1歩ずつ行動させる形式。

部隊の兵士数によって規模が存在し、大部隊になるほど部隊の面積が広くなる。

部隊には「足軽隊」「騎馬隊」「鉄砲隊「旗本」が存在し、各部隊の特性を生かし戦略的に合戦を進める必要がある。

 

コミカル戦国SLGの名作

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コミカルタッチに描かれた戦国時代は、全編にわたり可愛くて朗らかな雰囲気。

歴史SLGの経験が無かった筆者もすんなりとゲームの世界に入り込むことができ、楽しくプレイできた。

当時ナムコはSLGの制作経験がほとんど無かったにも拘らず、セオリーに捕らわれずライトな雰囲気に徹した事により完成度の高いタイトルとなった。

随所に遊び心が盛り込まれ、シンプルなルールと操作であるが、土地ごとの特色や、大名の戦略といった歴史SLGの核となる部分の作りこみもしっかりとされている。

その可愛い見た目の割には難易度は高くクリアするのは骨が折れた。

筆者は「初陣の章」(ライトモード)ではクリアできたが、「激闘の章」(ハードモード)でのクリアは叶わなかった。

ちなみに激闘の章をクリアして3周目の周回モードをプレイすると政宗が40歳の春に豊臣秀吉と戦う事が可能。

この戦闘に勝利すると全国統一となり真のエンディングを見る事ができる。

全体的に非常によくできたタイトルだと思う。

またいつかプレイしたいと思える昭和の名作ゲームの一つである。

 

今回は『独眼竜正宗』の紹介でした。

 

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