『biohazard0(バイオハザード0)』は2002年11月21日にニンテンドーゲームキューブ用ソフトとしてCAPCOMから発売されたサバイバルホラーゲーム。
『バイオハザードシリーズ』としては第5作目に当たる。
2008年にはWiiに移植。
2016年にはHDリマスター版がマルチプラットホームで販売された。
オリジナルのGB版の売上本数は125万本。
biohazard0とは
本編シリーズとしては、2000年発売の前作『バイオハザード CODE:Veronica』より、約2年振りの発売となる。
ナンバリングシリーズとしては、1999年発売の『バイオハザード3 LASTESCAPE』以来、約3年振りとなる。
時系列としては、『バイオハザード』にて起きた洋館事件の前日に位置しており、その中で起きていた出来事を描くプレストーリー編。
基本的なゲームシステムやカメラワークは『BIOHAZARD』以降の作品をほぼ踏襲している。
主人公は『BIOHAZARD』でクリスのパートナー役として登場したレベッカ・チェンバースと、新キャラクターである元海兵隊の囚人ビリー・コーエン。
操作キャラクターを常時任意交代できる「パートナーザッピングシステム」を中心に、従来とは一味違ったゲームシステムが盛り込まれている。
また、シナリオ面においてもシリーズ他作品の登場人物の関係性や大企業「アンブレラ」の黎明を描写しており、シリーズ全体に関する数々の真実が明かされている。
あらすじ
1998年7月23日、午後8時半。
アメリカ中西部ラクーン森林地帯の中を走る一本の列車“黄道特急”と、その列車を遠くの崖から見ている一人の青年があった。
そして青年が見守る中、走る列車に次々と奇妙な形の生物がへばりついていく。それらは車両の隙間から内部へ侵入し、乗客達に襲いかかり、恐怖の絶叫が車内に響き渡った。
同日午後10時過ぎ。
同じく森林地帯上空をラクーン市警のヘリが飛行していた。
最近多発している猟奇殺人事件の調査のためである。
人間が人間を喰い殺すという異常性にも関わらず捜査は難航し、犠牲者が続出したことで市警は精鋭部隊S.T.A.R.S.の捜査投入を決定。
2チームの内、ブラヴォーチームがヘリで捜査に訪れたのだが、エンジントラブルに見舞われ森の中へ不時着してしまう。
ヘリから降りたブラヴォーチームはほどなく、横転した軍用囚人護送車とMP二人の死体を発見。
護送されていた元海軍少尉ビリー・コーエンがMPを殺害して逃走したと判断し、隊員たちは散開して周辺捜索を開始する。
新入隊員レベッカ・チェンバースは奇妙にも森の中で停車している“黄道特急”と記された列車を発見し、逃亡犯が隠れている可能性から車内に侵入する。
登場人物
レベッカ・チェンバース
年齢:18歳。 本作の女性主人公。
S.T.A.R.S.の新人隊員で、チーム内のポジションはRS(リア・セキュリティ)。
わずか18歳ながら飛び級を重ね大学を卒業した才女で、薬品に関する知識や技術を買われ衛生隊員としてS.T.A.R.S.にスカウトされた。
今回の猟奇殺人事件の調査が初任務である。
ビリー・コーエン
年齢:26歳。本作の男性主人公。元海兵隊少尉。
ある軍事作戦中に23人もの民間人を虐殺した罪で死刑判決を受けた。
刑の執行のため基地に移送される途中、何者かに護送車が襲われ、その隙に逃走。
身を隠すために逃げ込んだ黄道特急の車内でレベッカと遭遇し、彼女の危機を救ったことがきっかけで行動を共にするようになる。
ジェームス・マーカス
アンブレラ創立のメンバーの1人であり、事件の舞台の一つである幹部養成所の初代所長。
「規律」「忠誠」「服従」を幹部養成所、及びアンブレラそのものの教訓としている。
極めて有能な科学者であり、ヒルを使い始祖ウィルスからT-ウィルスを作り出した。
目的のためなら手段を選ばない冷酷な性格で、彼の研究の実験台となって抹殺された人間は相当数に上る。
アルバート・ウェスカー
年齢:38歳。
S.T.A.R.S.隊長でアルファチームのリーダー。実はアンブレラがラクーン市警を監視するために送り込んだスパイである。
常に冷静な切れ者で、トレードマークのサングラスは暗いところでも白衣姿でも決して外さない。
アンブレラ研究員のウィリアム・バーキンとは旧知の仲。
ウィリアム・バーキン
年齢:36歳。アンブレラ研究員。
のちにG-ウィルスの開発を成功させる人物だが、この時点ではまだG-ウィルスを完成させていない。
謎の青年
T-ウィルスによって巨大化した変異ヒルの群れを操る青年。
アンブレラに怨恨を抱いており、執拗にアンブレラの施設を襲う。
エンリコ・マリーニ
年齢:41歳。
S.T.A.R.S.副隊長でブラヴォー・チームのリーダー。
温厚な性格で隊員から慕われている。
レベッカとは別行動だが、度々無線機を介して会話する。
ゲームシステム
パートナーザッピングシステム
プレイヤーはS.T.A.R.S.の新人隊員レベッカと囚人ビリー・コーエンを操作する。
ボタン1つでプレイヤーキャラをチェンジすることができ、他方のキャラは共に行動するかどうか、攻撃体勢か待機するか、をステータス画面で設定できる。
別のエリアでパートナーが敵の攻撃を受けている際は、無線機から救難信号がでる。
無論、操作していないキャラが死亡してもゲームオーバーとなる。
アイテムボックスの廃止
従来の作品は所持数が多くなったら、アイテムボックスに保管することが出来たが、今作ではアイテムボックスは廃止されている。
その代わり、アイテムを好きなところで置く事ができるようになった。
各エリアに置いたアイテムの場所はマップで確認可能。
フロアに置けるアイテムの数には制限がある。
基本的な操作方法、ゲームシステム、カメラワークは前作『1』~『3』までを踏襲している。
大きく変更点があったのが上記2点の仕様変更である。
パートナーザッピングシステムは、2人の主人公を切り替えながらストーリーを進めていくシステムだが、両者は体力、移動速度、武器の反動、アイテムの使用・調合の可否、COM操作時の攻撃頻度などに違いがあり、状況によって使い分けが求められる。
キャラクターを切り替えて操作しないと解けない仕掛けが数多く盛り込まれており、謎解きに奥行きが増している。
これは面白いシステムだったと思う。
※画像はバイオハザードHDリマスター
アイテムボックスの廃止については、持ちきれないアイテムはその場に置いておくしか無いのに、一つの部屋に置けるアイテム数は限られているので、やたらあちこちにアイテムが散らばる。
アイテムBOXの四次元性の排除でよりリアリティーを出したり、アイテムの位置をどこに置くかによって戦略の奥が深まるという狙いらしいが正直煩わしくて辛かった。
たかがハーブひとつやハンドガンの弾薬だけでも大分戻ってアイテム補充しなければならなくなったりして無駄なマップの行き来の作業が増えたので、アイテムBOX仕様の方が良かった気がする。
古き良きバイオハザード
従来のシリーズで採用されていた、謎解きやフィールドの探索などを主としたアドベンチャー要素強いゲームコンセプトの最終タイトルである。
固定式のカメラアングル及びラジコン操作もこの作品で最後となる。
この次に発売される『バイオハザード4』からはTPS視点のアクション重視のゲームスタイルとなり、現在でもそのシステムが採用されている。
バイオハザードシリーズは全体的に難易度が高めだが、『バイオハザード0』は大部分でパートナーと共に行動を行えるせいかその中でも屈指の高難度を誇る。
狭い場所での戦闘が多く難易度が高いのと、2人の行動をパズルのように組み合わせ仕掛けを解いていかなければならないからだと思われる。
しかしアクション性重視ではなくアドベンチャー性に重きを置いている為、戦闘はそこまで反射神経に頼らずとも戦略を考えて挑むことで倒すことができる。
謎解きに関しては、決して理不尽な仕掛けではないので、これくらい頭を捻る方が謎の解き甲斐があって個人的には楽しむ事ができた。
HDリマスター版
2016年にHDリマスター版が発売されている。
HD画質への対応のためにテクスチャを作り直し、画面比率を16:9に対応している。
音声は英語と日本語を選択可能。サウンド面でも5.1ch化し、高音質になっている。
新たに「ウェスカーモード」、新コスチュームも追加される。
本タイトルの個人的評価としては、シリーズの中でもかなりお勧めできると思う。
後付け前日譚なので『1』への繋がりの整合性が多少崩れているが、そこだけ目を瞑ればストーリー自体はなかなか秀逸で面白い。
難易度は高いけど、理不尽な難しさや謎解きでは無いのでじっくりやり込めばちゃんとクリアできる手応えがあるし、どうしてもラジコン操作が苦手なら「ハイキングモード」などの難易度を下げたモードも用意されているのでそちらでクリアを目指すのも良いだろう。
筆者もHDリマスター版は発売日に購入したものの、プレイするタイミングを逃し実は未だに未プレイである。
HDリマスター版は前作『バイオハザード』でその素晴らしさを十二分に理解しているので必ずプレイしようとは思っている。
というかこの記事を書いていたら無性にプレイしたくなってきたので近いうちに遊ぶ事にしよう(笑)
特にクリア後特典のウェスカーモードは最強すぎて爽快感が半端じゃ無いと聞くので楽しみだ。
今回は『biohazard0』の紹介でした。
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